性感染症（性病/STI）
の種類と検査費用

女性の場合、感染初期はほぼ無症状です。

国内で最も多く、自覚症状がないまま進行するケースが多いです。

進行すると不正出血や性交痛、不妊や早期流産の原因になる可能性があります。

淋菌という細菌によって引き起こされる感染症で、クラミジアと同時に感染していることも多いのが特徴です。「淋病」ともよばれています。

おりものの増加や下腹部痛などの症状が出ることがありますが、自覚症状がほとんどない場合も少なくありません。

重症化すると、子宮や卵管にまで炎症が広がり、不正出血や不妊症の原因となるため注意が必要です。

原因は梅毒トレポネーマという細菌で、感染しても数週間は症状が出ない潜伏期間があります。

初期にできるしこりに痛みや痒みがないため、感染に気づかずに過ごしてしまうケースが少なくありません。

しかし、治療せずに放置すると病気が進行し、心臓や脳など全身の臓器に深刻なダメージを与え、命に関わることもあります。

また、妊娠中の感染はお腹の赤ちゃんにも影響を及ぼすため、非常に危険です。

国内の若い女性の間で感染が増加しています。

陰部に痛みを伴う水ぶくれや潰瘍（かいよう）ができ、時にはリンパ節の腫れや強い排尿痛を引き起こします。

原因となるヘルペスウイルスは、一度感染すると体内に残り続けるため、完治は難しく、再発しやすいのが特徴です。

オーラルセックスによって、口から性器へ感染するケースも少なくありません。

トリコモナス原虫の感染が原因で、女性はおりものの悪臭や外陰部の強いかゆみ・痛みといった症状が現れます。

主な感染経路は性行為ですが、ごくまれに濡れたタオルや下着、便器、浴槽などを介して感染することもあります。

女性の腟内に普段から存在するカンジダという菌（カビの一種）が、異常増殖して起こる腟炎です。

体内の菌が原因のため、性行為の経験に関わらず誰にでも発症する可能性があります。他の性感染症で免疫が低下した際に自然発症することも少なくありません。

主な症状は外陰部の強い痒み、おりものの異常、排尿痛などです。

自然治癒は困難で、放置が不妊につながる危険性も指摘されているため、適切な治療が必要です。

HIVは、エイズ（後天性免疫不全症候群）の原因となるウイルスです。

感染から2～6週間後（急性期）には、50～90％と半数以上の方に発熱やのどの痛みといった風邪に似た症状が現れます。

放置するとエイズを発症し、免疫力の低下によってさまざまな病気にかかってしまう危険な性感染症です。

ほかの性感染症にかかっているとHIVの感染リスクも高まるとされています。

現在では治療法が進歩しており、適切な薬を飲み続ければ、日常生活を送ることが可能です。

性行為などの体液接触によってB型肝炎ウイルス（HBV）に感染して起こる、肝臓の炎症です。

感染しても症状が出ることはほとんどありません。もし急性肝炎を発症したとしても、症状が自然に治まることが多いため気づきにくいのが特徴です。

しかし、慢性化すると肝硬変や肝臓がんに至る危険な病気です。

肝臓は「沈黙の臓器」のため症状が出にくいので、定期的な検査が推奨されています。

C型肝炎ウイルスが原因の肝炎で、B型肝炎と同様に自覚症状に乏しいのが特徴です。

放置すると慢性化しやすく、将来的に肝硬変や肝臓がんへと進行するリスクが高まります。

ヒトパピローマウイルス（HPV）への感染が原因です。

主な感染経路は性行為ですが、ウイルスが付着した手指や物を介して、皮膚の傷などから感染する可能性も指摘されています。

HPVは一度感染すると体内から完全に排除することが難しいうえに、子宮頸がんの原因にもなります。そのため、ワクチン接種などによる予防が重要です。

「マイコプラズマ・ジェニタリウム」「マイコプラズマ・ホミニス」などの細菌が原因で起こる性感染症です。

主な症状は感染部位のかゆみや痛みで、放置すると深刻な合併症を引き起こす恐れがあります。

性行為による性器への感染のほか、オーラルセックスやキスで喉に感染するリスクもあります。

マイコプラズマといえば肺炎をイメージする方も多いのですが、性感染症としてのマイコプラズマと肺炎としてのマイコプラズマは、原因菌が異なります。

「ウレアプラズマ・パルバム」「ウレアプラズマ・ウレアリチカム」などの細菌が原因の感染症です。

感染経路や症状はマイコプラズマとよく似ており、自然に治ることはありません。

そのため、放置せずに医療機関で治療を受けることが重要です。