ミニピルとは?
低用量ピルとの違い・効果
Minipill
ミニピルとは、血栓症のリスクが極めて低い経口避妊薬です。低用量ピルが飲めなかった方でも服用できるのが大きな特徴で、避妊だけでなく、つらい生理痛やPMSの改善も期待できます。
この記事では、ミニピルの効果や副作用、メリット・デメリットを分かりやすく解説します。
ミニピルとは?
ミニピルは、「黄体ホルモン(プロゲステロン)」という1種類のホルモンのみを含むピル(経口避妊薬)です。 主に、以下のような効果が期待できます。
- ・高い避妊効果
- ・月経痛(月経困難症)の緩和
- ・PMS(月経前症候群)の症状改善
- ・過多月経の改善
ミニピルと低用量ピルの違い
ミニピルと低用量ピルの大きな違いはホルモンの種類です。
ミニピルが黄体ホルモン1種類なのに対し、低用量ピルは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモンの2種類を含んでいます。
低用量ピルに含まれるエストロゲンには血液を固まりやすくする働きがあり、血栓症のリスクを高める可能性があります。
そのため、一部の方は服用できません。一方、エストロゲンを含まないミニピルは血栓症リスクが極めて低く、低用量ピルを服用できない方にも選択肢となるのが特徴です。
また、飲み方にも違いがあり、低用量ピルには休薬期間がありますが、ミニピルは毎日飲み続ける必要があります。
ミニピルは、効果を維持するために毎日決まった時間に服用することが非常に重要です。
ミニピルをおすすめする人
- ・40代以上の人
- ・重度の高血圧症の人
- ・前兆を伴う片頭痛がある人
- ・心臓疾患がある人(心臓弁膜症の一部など)
- ・肥満の人(BMI30以上)
- ・喫煙する人(35歳以上で1日15本以上)
- ・授乳中の人
上記に当てはまり低用量ピルが服用できない方でも、ミニピルであれば服用できる可能性があります。ミニピルをご希望の方はぜひ、エリス婦人科クリニック川崎駅にご相談ください。
※医師の判断によっては、ミニピルの処方をお断りする場合もあります。あらかじめご了承ください。
ミニピルの効果
ミニピルは、毎日同じ時間に1錠を飲み続けることで避妊だけでなく、月経に関するさまざまな悩みを改善する効果も期待できます。
避妊効果
ミニピルを服用すると、主に以下の3つの作用で99%以上の避妊効果を発揮するといわれています。
- ・排卵を抑えることで、卵子と精子が出会いにくくなる
- ・子宮の入口の粘液の粘度を高め、精子が子宮内へ侵入するのを防ぐ
- ・子宮内膜を薄く保ち、 受精卵が着床しにくい状態を維持する
毎日正しく服用すれば、その避妊効果は低用量ピルと同等と報告されています。
避妊以外の効果
ミニピルは避妊効果に加えて、以下のような女性特有の悩みを改善する効果も期待できます。
| 改善が期待できる症状 | メカニズム |
|---|---|
| 月経痛・月経過多 | 排卵と子宮内膜の増殖を抑えることで、経血の量を減らし痛みを緩和します。 |
| PMS(月経前症候群) | ホルモンバランスの変動を整えることで、PMSの不調を和らげます。 |
| 子宮内膜症 | 子宮内膜の増殖を抑える作用により、痛みなどの症状を改善します。 |
改善が期待できる症状
メカニズム
排卵と子宮内膜の増殖を抑えることで、経血の量を減らし痛みを緩和します。
ホルモンバランスの変動を整えることで、PMSの不調を和らげます。
子宮内膜の増殖を抑える作用により、痛みなどの症状を改善します。
このように、ミニピルは避妊以外に女性のQOLを向上させる効果も期待できるお薬です。
ミニピルの副作用
ミニピルは、服用を開始してから3ヶ月の間は、ホルモンバランスが変化するため、以下のような副作用が現れることがあります。
- ・不正出血
- ・頭痛
- ・吐き気
- ・乳房の張りや痛み
- ・気分の変化など
ただし、これらの副作用が長期間続くことは非常にまれです。基本的には服用を続けるうちに次第におさまるうえに、重篤な副作用が現れることはめったにありません。
ミニピルは、医師の指示に従って服用すれば安全性が高いので、安心してお飲みください。
ミニピルのメリットとデメリット
ミニピルには、低用量ピルにはない優れたメリットがある一方で、知っておくべきデメリットもあります。
ミニピルのメリット
- ・血栓症のリスクが極めて低い
- ・低用量ピルが飲めない方でも服用できる
- ・月経トラブルの改善効果も期待できる
ミニピルは、血栓症リスクの原因となるエストロゲンを含まないため、喫煙や体重、病気などの理由で低用量ピルが飲めない方でも服用できる可能性があります。
また、避妊効果のほか、つらい生理痛やPMSの改善効果も期待できるのも大きなメリットです。
ミニピルのデメリット
- ・服用時間を厳密に守る必要がある
- ・不正出血が起こりやすい
- ・取り扱いクリニックが限られる
- ・保険適用外(自費診療)である
ミニピルは、毎日の服用時間がずれると避妊効果が落ちるため厳密な時間管理が必要です。
また、飲み始めは不正出血が起きやすく、保険適用外で費用は自己負担となるためデメリットに感じる方もいるでしょう。
しかし、ミニピルは低用量ピルが飲めない方にとってはメリットの方が上回るお薬です。
エリス婦人科クリニック川崎駅ではご不安な点も丁寧にサポートしますので、まずはご相談ください。
ミニピルを飲むと太る?
「ミニピルを飲むと太る」という噂がありますが、ミニピルが直接の原因で太る(=脂肪が増える)という医学的根拠はありませんので、ご安心ください。
ただし、飲み始めにホルモンバランスが変化することで、一時的にむくみ(保水作用)が出たり、食欲が増進したりすることがあるのです。このため、体重が増えたように感じられた方がいた結果、「ミニピルは太る」という説が広がったと考えられます。
しかし、多くの場合、むくみや食欲増進は体が薬に慣れるにつれて、3ヶ月ほどで自然に落ち着いていきます。
もし、どうしても体重の変化が気になる、あるいは食欲のコントロールが難しいと感じる場合は、我慢せずに医師にご相談ください。
ピルの服用に関わらず、バランスの取れた食事や適度な運動を心がけることも大切です。
ミニピルの種類
ミニピルにはいくつかの種類があり、含まれる黄体ホルモン(プロゲスチン)の量などが異なります。エリス婦人科クリニック川崎駅で取り扱っているミニピルはセラゼッタ・アザリア・スリンダの3種類です。
どのミニピルも避妊や月経トラブルの改善といった主な効果は同じですが、それぞれに少しずつ特徴があります。
スリンダは、日本国内で初めて認可されたミニピルとして話題にもなりました。
ご自身のライフスタイルや体質に合ったお薬を医師と一緒に選ぶことが、安心して服用を続けるための第一歩です。
当クリニックのミニピルの費用
エリス婦人科クリニック川崎駅のミニピルの費用は以下の通りです。
| セラゼッタ | 3,300円 |
| アザリア | 3,200円 |
| スリンダ | 4,500円 |
ミニピルの飲み方
ミニピルは、毎日決まった時間に1錠を服用してください。決まった時間から3時間以上ズレると避妊効果が低下します。さらに、12時間以上のズレで避妊効果が期待できなくなるため、注意が必要です。
飲み忘れを防ぐためにも、起床時や就寝前など、ご自身の生活の中で習慣にしやすい時間を決めておきましょう。
ミニピルを飲み忘れた時は?
もしミニピルを飲み忘れた場合は、気づいた時点ですぐに1錠を服用し、その翌日分からいつも通りの時間に飲んでください。
飲み忘れから1週間ほどは避妊効果が低下している可能性があるため、コンドームを使用するなど他の避妊方法も活用してください。
エリス婦人科クリニック川崎駅のピル採血と血液検査
エリス婦人科クリニック川崎駅では、ピルを服用される方に定期的な血液検査をおすすめしています。お薬が体に与える影響には個人差があるため、きちんと健康状態を確認しながら服用を続けることが重要だからです。
当クリニックは、服用中の皆様の「かかりつけ医」として、いつでも相談できる場所でありたいと願っています。不安なことがあれば、いつでも気兼ねなくお声がけください。
よくある質問(FAQ)
Q
ミニピルは、いつから避妊効果がありますか?
▼
生理が始まって5日以内に服用を開始すれば、その日から避妊効果が期待できます。それ以外のタイミングで開始した場合は、服用を続けて7日ほど経過すれば、避妊効果を得られます。
Q
喫煙者でもミニピルを服用できますか?
▼
はい。喫煙が理由で血栓症リスクの高い低用量ピルを服用できなかった方でも、ミニピルは服用できる場合が多いです。ただし、安全に服用できるかは医師が判断しますので、必ず診察時にご申告ください。
Q
ミニピル服用中はコンドームをしなくても大丈夫ですか?
▼
いいえ、コンドームの併用を強く推奨します。ピルの避妊効果は100%ではなく、また、梅毒やクラミジアなどの性感染症(STI)を防ぐことはできません。大切なパートナーとご自身を守るためにも着用が重要です。
Q
どこでミニピルを処方してもらえますか?
▼
ミニピルはまだ国内で取り扱いが少なく、処方できる医療機関は限られます。個人輸入サイト等では偽造品のリスクがあり危険です。必ず医師の診察のもと、信頼できる医療機関で処方を受けてください。
エリス婦人科クリニック川崎駅では、3種類のミニピルを取り扱っています。
Q
ミニピルを飲むと生理はどうなりますか?止まるのですか?
▼
ミニピルを服用すると、約20〜30%の確率で生理が止まると報告されています。ただし、これはあくまで副作用であり、生理を止めることを目的としたお薬ではありません。
また、飲み始めは不規則な出血が起こるなど、生理や出血に関する身体の変化が起こることがあります。これによって健康状態に大きな問題はありませんが、生理の変化でご不安な点があれば、いつでも医師にご相談ください。