エリス婦人科クリニック川崎駅

ミレーナ(避妊リング)とは?
費用・避妊効果も解説

Mirena

ミレーナとは?

ミレーナとは

ミレーナは、「IUS(子宮内システム)」と呼ばれるT字型の医療機器です。子宮内に装着することで、器具に含まれる黄体ホルモンが子宮内部に持続的に放出され、「長期間の避妊」と「月経トラブルの改善」という2つの効果が得られます。

子宮内で放出されたホルモンは子宮内膜を薄く保ち、受精卵の着床を防ぐほか、精子が侵入しにくくする働きを持ち、最長5年間の高い避妊効果を発揮します。

また、内膜が薄くなることで経血量が大幅に減り、つらい生理痛が緩和されるという効果も得られるのです。

ミレーナはホルモンが子宮内に局所的に作用するため、血栓症のリスクがほとんどなく、経口避妊薬(ピル)の服用が難しい方にも選択肢となります。例えば、30代後半から40代の方や喫煙されている方なども、安心して使用を検討できるのが特徴です。

エリス婦人科クリニック川崎駅では、痛みに配慮した無痛ミレーナ挿入に対応しています。お気軽にご相談ください。

目次

ミレーナの効果

ミレーナ実物の写真

ミレーナの効果は、「避妊」と「月経のお悩みの治療」です。1つの器具で、女性の健康をサポートする2つの大きな役割を果たします。

避妊効果

一度装着すると、最長5年間にわたり、非常に高いレベルの避妊効果が維持されます。これは、放出されるレボノルゲストレル(プロゲステロン)の2つの働きによるものです。「子宮内膜を薄くして受精卵が着床しにくい環境を作ること」と「子宮の入口の粘液を変化させて精子の侵入を阻むこと」の2つの作用で、避妊効果を高めます。

月経困難症・過多月経の改善

毎月のひどい生理痛(月経困難症)や、出血量が多すぎて生活に支障が出る(過多月経)といった症状の緩和も、ミレーナの重要な効果です。

子宮内膜を薄く保つ作用によって経血量が減少し、生理痛も和らぎます。

また、子宮内膜症や子宮筋腫による症状の軽減にも有効です。これらの症状の治療を目的とする場合、医師の診断があれば健康保険の適用で装着することが可能です。

ミレーナの費用

挿入前検査 13,000円
挿入(エコー込) 55,000円
挿入後検診 3,300円
無痛ミレーナ挿入
(静脈麻酔、挿入代込み)
88,000円
抜去 11,000円
  • ※診察料込

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痛みに配慮した無痛ミレーナ挿入とは?

静脈麻酔中のイメージ写真。静脈麻酔の使用により無痛でミレーナ挿入が可能。

痛みに配慮した無痛ミレーナ挿入とは、静脈麻酔などを用いて、痛みや不安を最小限に抑えながらミレーナを装着する処置のことです。

多くの場合、強い痛みはなく、生理痛のような軽い違和感を覚える程度で処置は完了します。経膣分娩のご経験がある方は比較的スムーズに挿入できます。

一方で、や帝王切開でご出産された方の場合、子宮の入口(子宮頸管)が硬く狭いため、痛みを感じやすいケースもないわけではありません。

しかし、当クリニックでは痛みにご不安がある方にご希望に応じて各種麻酔を使用することも可能です。痛みが不安な方は遠慮なくご相談ください。

エリス婦人科クリニック川崎駅で選択できる麻酔の種類

静脈麻酔

眠っている間に処置が完了します。痛みの不安が大きい方やリラックスした状態で手術を受けたい方におすすめです。

局所麻酔

注射で処置部分の痛みだけを取り除きます。短時間で終了する手術などで選択されることが多いです。

笑気麻酔

鼻からガスを吸入し、不安や緊張感を和らげます。処置への恐怖心が強い方におすすめです。

※点滴や麻酔のための針の刺入が不安な方に向けて、貼付タイプの麻酔テープ(別途費用)もご用意しています。

痛みに敏感な方、不安が強い方は、どうぞ遠慮なく医師にお申し付けください。

ミレーナをおすすめできる・適している方

  • ・長期間にわたり、避妊効果を得たい方
  • ・毎日のピル服用が面倒、または飲み忘れが心配な方
  • ・生理痛がひどい、または経血量が多くてお悩みの方(月経困難症・過多月経)
  • ・ピルが体質に合わなかった、または副作用(血栓症リスク等)が不安な方
  • ・避妊や治療にかかる費用を長期的に抑えたい方

ミレーナは、一度の装着で最長5年間、高い避妊効果と月経トラブルの改善効果が期待できる医療機器です。毎日の服用が必要なピルと比較して、手間を省くことができます

また、ホルモンが子宮内に直接作用するため、ピルのような全身性の副作用のリスクが少なく、ピルが合わなかった方にも適しています。治療目的の場合は保険適用となり、長期的なコストパフォーマンスにも優れています。

ミレーナをおすすめできない・適していない方

  • ・妊娠している、またはその可能性がある方
  • ・原因不明の不正性器出血がある方
  • ・骨盤内や性器に感染・炎症がある方(骨盤内炎症性疾患、子宮内膜炎など)
  • ・子宮の形に異常がある、または子宮筋腫によって子宮内腔の変形が認められる方
  • ・重い肝臓の病気をお持ちの方
  • ・過去にミレーナの成分で過敏症(アレルギー)を起こしたことがある方
  • ・異所性妊娠(子宮外妊娠)の既往歴がある方

ここに記載がない場合でも、健康状態によっては医師が装着に適さないと判断することがあります。ミレーナの使用可否は必ず診察の上で総合的に判断しますので、気になる点があれば些細なことでもご相談ください。

ミレーナの副作用・デメリット

ミレーナは安全性の高い選択肢ですが、下記のような副作用やデメリットが見られることがあります。多くは体が慣れるまでの一時的な症状ですので、事前に理解しておくと安心です。

  • ・不正出血や月経周期の乱れ
  • ・下腹部痛や腰痛
  • ・おりものの増加
  • ・卵巣嚢胞(らんそうのうほう)

これらの症状は、ミレーナが体になじんでいく過程で起こるものです。装着から3~6ヶ月経ほどで自然に軽快、または消失します。もし症状が長引いたり、ご不安に感じることがあったりした場合は、遠慮なく医師にご相談ください。

ミレーナの施術後の注意点

ミレーナ装着後の生活で、特に注意していただきたいのは、ごくまれに起こる「自然脱出」です。

日本国内の報告では、装着後1年以内にミレーナが意図せず子宮内から外れてしまう確率は約1.5%とされています。そのため、普通に生活していれば、ミレーナが外れる心配はまずありません。

しかし、ミレーナが外れたり、ズレたりする可能性がゼロではないため、もし装着後に下腹部の痛みや異物感など、いつもと違う症状があれば、早めにクリニックを受診してください。

また、ミレーナには除去用の糸がついていますが、ご自身で触れたり、引っ張ったりしないようお願いいたします。

ミレーナの流れ|エリス婦人科クリニック川崎駅

当院でのミレーナ装着は、安全を第一に考え、以下のステップで丁寧に進めていきます。

STEP1. 初診・検査

まずは医師による問診と診察で、お悩みやご希望、出産歴などを伺います。その後、ミレーナを安全に装着できるか確認するため、超音波(エコー)検査と、クラミジアなどの性感染症検査を行います。

※検査の結果、感染症や子宮・卵巣に異常がないことを確認してから、次のステップに進みます。

STEP2. 装着日のご予約

検査結果に問題がなければ、装着日を決定します。子宮口が柔らかく少し開いている月経開始3日目から7日目以内が、挿入に最も適した時期となります。

STEP3. ミレーナの装着処置

数分程度の短時間で処置は完了します。痛みがご不安な方には、ご希望に応じて静脈麻酔など各種麻酔を使用することも可能ですので、ご相談ください。麻酔を使用した場合は、院内で30分~1時間ほどお休みいただいてからのご帰宅となります。入院の必要はありません。

STEP4. 装着後の定期検診

装着1カ月後、3カ月後、6カ月後と、その後は1年に1回程度の定期検診で、ミレーナが正しい位置にあるかなどを確認します。定期的なチェックで、より安心してミレーナを継続していただけます。

痛みに配慮した無痛ミレーナの注意点

安全に麻酔を使用して処置を受けていただくために、以下の注意事項を必ずお守りください。

処置の前日・当日について

お食事

処置予定時刻の6時間前までにお済ませください。それ以降は絶食です。

お飲み物

水やお茶に限り、3時間前までお飲みいただけます。

ネイル

血中酸素濃度を測るモニターを指先に装着しますので、マニキュアやジェルネイルは事前に落としてお越しください。

処置の後について

乗り物の運転

麻酔の影響が残る可能性があるため、処置当日はご自身でのお車・バイク・自転車の運転は絶対にしないでください。

ご帰宅

公共交通機関をご利用いただくか、ご家族の方に送迎をご依頼ください。

ミレーナとピルの違い

ミレーナと低用量ピルは、どちらも女性の健康をサポートする大切な選択肢ですが、その特徴や体への作用は大きく異なります。ご自身のライフスタイルや健康状態に合わせて最適な方法を選ぶために、それぞれの違いを比較表で見ていきましょう。

ミレーナ

種類

IUS(子宮内システム)

避妊失敗率

0.1~0.8%

ホルモンの種類

プロゲステロンのみ

作用範囲

子宮内に限定(局所的)

年齢

制限なし

主な副作用

・装着後数日間の不正出血や腹痛

・おりものの増加

低用量ピル

種類

経口避妊薬(内服薬)

避妊失敗率

約8%
(※飲み忘れを含む)

ホルモンの種類

エストロゲンとプロゲステロン

作用範囲

全身

年齢

40歳未満

主な副作用

・血栓症のリスク

・吐き気、頭痛など

上の表の通り、ミレーナの最大の特徴は、一度の装着で長期間効果が続く手軽さと、作用が子宮内に限定される点です。

これにより、ピルの課題であった「飲み忘れによる避妊失敗」がなく、血栓症のリスクもほとんどありません。そのため、喫煙される方や40歳以上の方、BMIが高めの方など、低用量ピルの服用が難しい方にも適した選択肢です。

よくある質問(FAQ)

Q ミレーナ装着後、避妊効果はいつから始まりますか?
A

ミレーナは、装着した当日から避妊効果を発揮します。ただし、より確実性を高めるため、装着後の最初の1週間程度はコンドームなど他の避妊法を併用することを推奨しています。ご不安な点は、医師にお気軽にご質問ください。

Q ミレーナを取り出すのに手術は必要ですか?
A

手術の必要はありません。ミレーナには除去用の柔らかい糸がついており、外来の診察で数分で簡単に取り出すことが可能です。ただし、ご自身で無理に糸を引っ張ると、子宮を傷つける危険があるため、絶対にやめてください。

Q ミレーナをつけると副作用で臭いがキツくなりますか?
A

ミレーナ自体が臭いの原因になることは基本的にありません。もし普段と違う気になる臭いが続く場合は、細菌性膣症など他の原因が考えられます。ミレーナの有無にかかわらず、症状があれば婦人科の受診をおすすめします。

Q ミレーナを入れると臭い対策になりますか?
A

ミレーナ自体に、デリケートゾーンの臭いを改善したり消したりする効果はありません。経血量が減ることで、生理中の臭いが軽減したと感じる方もいらっしゃいますが、臭い対策を目的としたものではない点をご理解ください。

Q ミレーナを入れると太るというのは本当ですか?
A

ミレーナの装着が直接的な原因で体重が増加するという医学的な報告は現在のところありません。ミレーナのホルモンは子宮内に局所的に作用するため、ピルのように全身に影響することは少なく、体重への影響も過度に心配する可能性が非常に低いです。

Q ミレーナが入っていることで、性行為の際に男性側が痛がることはありますか?
A

性行為の際に男性器がミレーナ本体に触れることはなく、痛みを与える心配はほとんどありません。子宮口から出ている除去用の糸は非常に柔らかいため、違和感を生じることもまれです。万が一、パートナーが糸の存在を指摘するような場合は、位置の確認もかねてお気軽にご相談ください。

Q ミレーナをつけると白髪が増えるというのは本当ですか?
A

ミレーナの副作用として白髪が増えるという医学的な根拠や報告はありません。白髪は主に加齢や遺伝、生活習慣などが原因とされています。ミレーナのホルモンは子宮内に局所的に作用するため、全身への影響は非常に少ないです。