神奈川川崎の
避妊インプラント
Contraceptive implant
避妊インプラントとは?
避妊インプラントとは、二の腕の皮下に細い棒状の器具を挿入することで、高い避妊効果を得られる避妊具です。1回の挿入で最長3年間、約99%の避妊率が期待できるほか、月経痛や過多月経の改善も期待されています。
避妊方法といえばコンドームやピル、子宮内に装着するミレーナ(IUS)がよく知られていますが、海外では避妊インプラントの注目度も年々高まっています。
エリス婦人科クリニック川崎駅は、川崎エリアで避妊インプラント(皮下インプラント)を取り扱っている数少ない婦人科です。本記事では、避妊インプラントの仕組みや種類、メリット・注意点をわかりやすく解説します。
避妊インプラントの仕組み
避妊インプラントは、二の腕に埋め込んだ小さな棒(ロッド)から「エトノゲストレル」というホルモンが少しずつ放出される仕組みです。このホルモンが皮下組織の毛細血管に少しずつ吸収されて排卵を抑え、子宮頸管や子宮内膜の状態を変えることで、妊娠を防ぎます。
1回の挿入で最長3年間、約99%の避妊率が期待でき、月経痛の軽減や過多月経の改善といった変化も報告されています。
避妊インプラントは、日本ではまだ承認されていない「未承認の医薬品・医療機器」にあたります。ただし、アメリカやヨーロッパを含む世界100カ国以上で承認・使用されており、米国食品医薬品局(FDA)でも避妊効果と安全性が公式に認められています。
なお、BMIが高い方(目安としてBMI25以上)では、個人差はありますが、避妊効果の持続期間がやや短くなる場合があります。
インプラノンとは?避妊インプラントとは違うの?
インプラノンは避妊インプラントの旧製品で、現在主流の「ネクスプラノン(NEXPLANON)」の前身にあたります。
インプラノンは避妊効果自体は十分にありましたが、挿入位置がレントゲンなどで確認しづらいことや、まれにロッドの位置がずれるといった課題がありました。
こうした点を改良するため、製造元である製薬会社MSDは新たにネクスプラノンを開発。X線で位置を確認できる成分を追加し、安全性と利便性が高められています。
そのため、現在海外で使用されている避妊インプラントの多くはネクスプラノンであり、日本で紹介される避妊インプラントも、基本的にはネクスプラノンを指します。
エリス婦人科クリニック川崎駅はネクスプラノン(NEXPLANON)を採用
現在もっとも広く使用されている避妊インプラントは「ネクスプラノン(NEXPLANON)」であり、エリス婦人科クリニック川崎駅でも、このネクスプラノンを採用しています。
ネクスプラノンは、1本のロッドを二の腕に挿入するだけで、最長3年間にわたって安定した避妊効果を発揮します。
従来の避妊インプラントは2本以上のロッドを入れる必要があり、挿入や抜去の際に体への負担が大きいというデメリットがありました。
ネクスプラノンは1本のロッドで効果が得られるため、処置がシンプルで安全性が高く、長期間にわたって安心して使用できる点が特徴です。
ミレーナと避妊インプラントの相違点
避妊インプラントとミレーナ(IUS)は、どちらも体内に挿入して長期間避妊効果を得る方法です。
避妊インプラントは二の腕の皮下に埋め込むのに対し、ミレーナは子宮内に装着するタイプの避妊具で、いずれも99%の高い避妊効果があり、毎日の服薬が不要な点が共通しています。
エリス婦人科クリニック川崎駅では、避妊インプラント・ミレーナのどちらにも対応しています。ご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
| 避妊インプラント | ミレーナ | |
|---|---|---|
| 挿入場所 |
上腕(二の腕)の皮下 |
子宮内 |
| 配合されるホルモン |
エトノゲストレル |
レボノルゲストレル |
| 避妊率 |
約99% |
約99% |
| 効果の持続期間 |
最長3年 |
最長3年 |
| 保険適用 | 自由診療(保険適用なし) | 月経困難症や過多月経などの治療目的では保険適用あり |
避妊インプラント
上腕(二の腕)の皮下
エトノゲストレル
約99%
最長3年
自由診療(保険適用なし)
ミレーナ
子宮内
レボノルゲストレル
約99%
最長5年
月経困難症や過多月経などの治療目的では保険適用あり
避妊インプラントもミレーナも、世界保健機関(WHO)や米国CDCで「最も信頼性の高い避妊法(LARC)」として推奨されている方法です。
避妊インプラントの効果とメリット
- 1.約99%の高い避妊効果が最長3年間続く
- 2.低用量ピルが難しい方への選択肢
- 3.月経痛や過多月経の改善が期待できる
- 4.毎日の服薬が不要
- 5.将来の妊娠への影響がない(不妊リスクがない)
避妊インプラントには、上記5つのメリットがあります。
1.約99%の高い避妊効果が最長3年間続く
避妊インプラントは、二の腕の皮下に挿入したロッドからホルモンが少しずつ放出されます。これにより排卵を抑え、精子の進入や受精卵の着床を防ぐことで妊娠を防止します。1回の挿入で最長3年間、約99%の高い避妊効果の持続が可能です。
2.低用量ピルが難しい方への選択肢
避妊インプラントに含まれるのは、合成黄体ホルモン(エトノゲストレル)のみです。低用量ピルに含まれるエストロゲンを含まないため、エストロゲンが制限される持病を持つ方や、副作用が出やすい体質の方、血栓症が不安な方の選択肢になります。
3.月経痛や過多月経の改善が期待できる
ホルモンの作用で子宮内膜の厚さが一定に保たれるため、経血量が減ったり月経痛が和らいだりします。人によっては無月経になるケースもありますが、健康上の問題は報告されていません。
4.毎日の服薬が不要
経口避妊薬(ミニピル・低用量ピル・超低用量ピル)は毎日決まった時間の服用が基本ですが、避妊インプラントは一度の挿入で長期間の避妊効果が得られます。飲み忘れによる避妊失敗の心配がないため、忙しい方や不規則な生活を送っている方にも多く選ばれています。
5.将来の妊娠への影響がない(不妊リスクがない)
避妊インプラントは「長期作用型可逆的避妊法(LARC)」に分類されます。これは、長期間効果が持続する一方で、取り外せば妊娠可能な状態に戻る方法であることを意味します。抜去後はホルモン分泌が自然に回復し、将来的な妊娠にも影響を与えません。
避妊インプラントの副作用とデメリット
- 1.不正出血や頭痛などの副作用
- 2.挿入や抜去に小さな切開が必要
- 3.性感染症は予防できない
- 4.保険適用外である
- 5.一時的に体重が増える可能性がある
- 6.ニキビなど肌トラブルが起こることがある
避妊インプラントは高い避妊効果がある一方で、上記のような注意点や副作用があります。あらかじめ理解しておくことで、より安心して自分に合った方法を選択できます。
1.不正出血や頭痛などの副作用
ホルモンの影響により、月経周期が不規則になったり、不正出血が続いたりする場合があります。また、頭痛・乳房の張り・気分の変動といった症状が出るケースもありますが、これらは時間の経過とともに落ち着く一過性の副作用です。
2.挿入や抜去に小さな切開が必要
避妊インプラントは二の腕の皮下に埋め込むため、医師による処置で皮膚に小さな切開を行います。ただし、処置の際は局所麻酔を使用するため痛みはほとんどなく、傷跡も数週間で徐々に薄くなります。
3.性感染症は予防できない
避妊インプラントは妊娠を防ぐための方法であり、性感染症(STI)を防ぐ効果はありません。感染症の予防には、引き続きコンドームの使用が推奨されます。
4.保険適用外である
日本では避妊インプラントは未承認のため、保険が使えず自由診療(自己負担)となります。クリニックごとに料金設定が異なるのはこのためです。当クリニックでは、カウンセリング時にご説明した料金以外の追加費用は発生しません。
5.一時的に体重が増える可能性がある
ホルモンの作用で食欲が増えたり、むくみが出たりすることで、一時的に体重が増えるケースがあります。ただし全員に起こるわけではなく、ピルやミレーナなど他のホルモン避妊法でも見られる共通の副作用です。
6.ニキビなど肌トラブルが起こることがある
ホルモンの変化で皮脂分泌が一時的に増え、ニキビや吹き出物が出ることがあります。一方で、肌の調子が良くなる方もおり、ホルモンの影響には個人差があります。ただし肌トラブルが生じた場合でも、その多くが数か月以内に落ち着いていきます。
避妊インプラントの費用|エリス婦人科クリニック川崎駅
| カウンセリング料 | 3,300円 |
|
挿入 (局所麻酔+挿入) |
108,000円 |
|
静脈麻酔 (希望の方) |
33,000円 |
|
笑気麻酔 (希望の方) |
15,000円 |
| 自院抜去 | 15,000円 |
|
他院抜去 (1本タイプ) |
45,000円 |
|
他院抜去 (2本タイプ) |
55,000円 |
避妊インプラントの日本国内における挿入費用は、およそ15〜20万円が一般的な相場とされています。インプラントは一度挿入すると定期的な通院は不要で、特別なトラブルがなければ追加のメンテナンス費用もかかりません。
エリス婦人科クリニック川崎駅では、当院で挿入された方へのアフターフォローに加え、他院や海外で挿入された避妊インプラントの抜去にも対応しています。処置は基本的に局所麻酔で行いますが、静脈麻酔や笑気麻酔を希望される方にも別途費用にて対応が可能です。
挿入を検討中の方やご不安がある方には、カウンセリングのみのご予約も承っておりますので、安心してご相談ください。
避妊インプラントの挿入と抜去の流れ
避妊インプラントは、二の腕の皮膚の下(皮下組織)に埋め込みます。処置は局所麻酔のもとで行われ、数分程度で完了するため、痛みや身体への負担は最小限です。
挿入の流れ
お悩みやご希望を伺いながら、効果や副作用、注意点について医師が説明し、ご不安な点にお答えします。
利き腕ではない方の腕を消毒し、麻酔を行います。注射の際に軽い痛みを感じる場合があります。
専用の器具を用いてロッドを皮下に埋め込みます。縫合は不要で、処置後は小さな内出血がみられる場合がありますが、数日で目立たなくなります。
※注意点
避妊インプラントを挿入した腕は、予防接種や血圧測定、強い圧をかけるマッサージ、美容医療(レーザー・脂肪吸引など)は避ける必要があります。また、挿入部への強い圧迫や衝撃はインプラントの破損や位置ずれにつながるため、スポーツの際にも注意が必要です。
抜去の流れ
安全に抜去するため、医師が診察を行い、インプラントの位置を確認します。
抜去部位を消毒し、局所麻酔を行います。注射の際にチクッとした刺激を感じる場合があります。
皮膚を数ミリ切開し、埋め込まれたロッドを慎重に取り出します。麻酔が効いているため痛みは最小限で、処置自体は数分で終了します。
引き続き避妊を希望される場合は、その場で新しいインプラントの挿入も可能です。抜去のみを行う場合は、止血や包帯による保護を行い、必要に応じて数針縫合します。縫合した場合でも麻酔が持続しているため強い痛みは伴いません。
避妊インプラントの効果は最長で3年間続きますが、体調やライフスタイルの変化に合わせて、3年を待たずに途中で抜去することも可能です。
抜去後は数週間〜1カ月ほどで体のホルモンバランスが整い、自然に妊娠が可能な状態へ戻ります。ただし、月経や排卵が戻る時期には個人差がありますので、妊活をご希望の方は早めに医師にご相談ください。
エリス婦人科クリニック川崎駅での避妊インプラント
エリス婦人科クリニック川崎駅では、満18歳〜49歳の方を対象に避妊インプラントの挿入・抜去を行っています。
避妊インプラントは高い避妊効果と利便性から、世界的に「女性主体の避妊法」として利用者が増えている方法です。
当クリニックでは、患者様の体調やライフステージに応じて、避妊インプラントだけでなく低用量ピルやミレーナなど、複数の選択肢から適した方法をご提案します。
月経痛や経血量の悩みを改善したい方、自分に合った避妊法を見つけたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
避妊インプラント
に関するご質問
Q
避妊インプラントで生理を止めたいのですが、可能ですか?
▼
避妊インプラントは、挿入後に経血量が減ったり月経痛が和らいだりする方が多く、一時的に無月経になるケースもありますが、必ず月経が止まるわけではありません。したがって、月経を止めることを目的としての使用はできません。
Q
生理痛や過多月経の治療のために保険適用で避妊インプラントを入れられますか?
▼
日本では避妊インプラントは未承認のため、治療目的であっても保険は使えず自由診療となります。未承認ではあるものの、欧米を含め世界100カ国以上で承認・使用されており、安全性と有効性の実績が蓄積されています。
Q
避妊インプラントの避妊率や避妊期間を教えてください。
▼
避妊インプラントは、1回の挿入で最長3年間、約99%の高い避妊効果が得られるとされています。確実な効果を保つには、3年を経過する前に抜去し、新しいインプラントに入れ替えることが推奨されます。
Q
処置のときに痛みはありますか?
▼
避妊インプラントの挿入や抜去は局所麻酔のもとで行うため、強い痛みを感じることはほとんどありません。チクッとした痛みを感じやすいのは麻酔注射の際のみで、処置そのものも数分で終わります。
Q
授乳中でも避妊インプラントを入れて大丈夫ですか?
▼
出産から4週間以上経っていれば、授乳中でも使用可能です。海外の研究(Infant Risk Center)でも、母乳の量や赤ちゃんの発育に悪影響はないと報告されています。
Q
他院や海外で入れたインプラントの抜去はお願いできますか?
▼
はい、当クリニックでは他院や海外で挿入した避妊インプラントの抜去を実施しています。ただし、埋め込み位置が深い場合やずれている場合は、抜去が困難になるケースもあるため、まずは診察で確認させていただきます。
Q
腕以外に入れられますか?
▼
避妊インプラントは、二の腕以外での効果や安全性は確認されていません。そのため、二の腕以外には挿入できませんので、予めご了承ください。